Nature ハイライト
免疫学:T細胞機能不全の2つの段階
Nature 545, 7655
CD8 T細胞は、がん細胞に対する免疫応答の非常に重要な構成要素であるが、固形腫瘍はCD8 T細胞が存在するにもかかわらず、悪性度が高くなることが多い。これらの腫瘍特異的T細胞がどのようにして機能不全に陥るのか、また再プログラム化され得るかどうかはよく分かっていない。A Schietingerたちは今回、固形腫瘍由来の疲弊した機能不全T細胞のエピジェネティックプロファイルを解析した。彼らは、機能的T細胞から機能不全T細胞へのエピジェネティックな再プログラム化は2段階で起こり、まず可塑的状態を経てから固定状態に移行すること、そして可逆的なのは最初の段階のみであることを明らかにしている。T細胞機能不全のエピジェネティック調節を理解することは、がん免疫療法の一環としての治療用再プログラム化を考える上で重要となるだろう。
2017年5月25日号の Nature ハイライト
免疫学:T細胞機能不全の2つの段階
天文学:クエーサーの探求で見つかった活発な星形成銀河
量子物理学:高温超伝導の秘密を探る
環境科学:ディーゼル車の排ガスの危険性
神経科学:視索前野の睡眠促進ニューロン
ウイルス学:蚊においてジカウイルスの感染力を高める変異
植物生物学:植物の免疫をプログラムする
がん:腫瘍免疫を遮断する
がん:がんプログレッションにおける代謝変化の役割
生物工学:タンパク質の相互作用のマッピング