Nature ハイライト
がん:がんプログレッションにおける代謝変化の役割
Nature 545, 7655
細胞の代謝の変化は、さまざまながんでよく見られる。こうした代謝の変化ががんの発生に直接影響を及ぼす仕組みは、研究がなされているところである。服部鮎奈(米国ジョージア大学)たちは今回、慢性骨髄性白血病において代謝酵素BCAT1がMusashi2を介して発現上昇することを明らかにしている。BCAT1は、分枝鎖ケト酸をアミノ化することで、分枝鎖アミノ酸(BCAA)にする機能を持つことが示された。BCAT1の阻害は、マウスの慢性骨髄性白血病において分化を誘導し、増殖を妨げた。ヒトでは、BCAT1発現の上昇は疾患の予後不良とも関連が見られたことから、他のバイオマーカーと共に用いることで、患者の疾患の予後予測に役立つ可能性がある。
2017年5月25日号の Nature ハイライト
免疫学:T細胞機能不全の2つの段階
天文学:クエーサーの探求で見つかった活発な星形成銀河
量子物理学:高温超伝導の秘密を探る
環境科学:ディーゼル車の排ガスの危険性
神経科学:視索前野の睡眠促進ニューロン
ウイルス学:蚊においてジカウイルスの感染力を高める変異
植物生物学:植物の免疫をプログラムする
がん:腫瘍免疫を遮断する
がん:がんプログレッションにおける代謝変化の役割
生物工学:タンパク質の相互作用のマッピング