Nature ハイライト
Cover Story:流れを読む:ゼブラフィッシュの流水中でのナビゲーションを可能にする洗練された感覚系
Nature 547, 7664
表紙は、ゼブラフィッシュ(Danio rerio)の幼生である。今回F Engertたちは、魚が遊泳中に周囲の水の流れを検知するのを可能にしている感覚系に関する知見を報告している。走流性と呼ばれる行動では、魚は、視覚的な手掛かりがなくても、常に上流に頭を向けて流れに逆らうように泳ぐことができる。著者たちは、ゼブラフィッシュの幼生でこの能力を調べ、側線と呼ばれる一連の有毛細胞(赤色)がそのカギであることを見いだした。彼らは、魚がこうした有毛細胞を使って、周囲の局所的な流れ場の回転を検出し流れの方向を推定していると提案している。野生では、魚はこの方法によって、視覚的な手掛かりのない環境でも、ナビゲーションを行うことができると思われる。
2017年7月27日号の Nature ハイライト
腫瘍免疫学:PTPN2の欠失が腫瘍抑制を高める
エピジェネティクス:非カノニカルなゲノムインプリンティング
応用物理学:脳ネットワークのコンピューター化で音声認識
有機化学:柔軟な抗生物質の構造を突き止める
環境科学:生物多様性喪失の脅威は手付かずの景観で最大となる
神経科学:シナプスが情景を設定する
がん:脂質の分解が治療抵抗性をもたらす
遺伝学:放射線曝露の副次的影響についての分子レベルの手掛かり
構造生物学:カンナビノイド受容体の構造