Nature ハイライト
神経科学:シナプスが情景を設定する
Nature 547, 7664
視覚刺激処理にはニューロン間のさまざまな結合が必要であり、各ニューロンが符号化する特定の視覚特徴が統合されることによって1つの情景の全体的表現が形作られる。しかし、この結合の論理や、各ニューロンが視野のさまざまな部分に関してどのような情報を受けているのかは分かっていない。今回S Hoferたちは、マウス視覚野の個々のニューロンの樹状突起スパイン上に入る興奮性入力の構成をマッピングしている。視野中の近い位置で同様の視覚特徴を表現する入力は、隣接するスパインに密集する傾向が見られ、観察下のニューロンの受容野から離れている入力は、高次の樹状突起分枝上に位置していた。類似性がない受容野を持つニューロン間の結合は、それらの受容野が空間的に離れている時により多く見られた。こうした配置によって、我々の視覚空間の一般的な要素である特徴、つまり物の輪郭や長く伸びた明暗縁を強調するのに適した演算単位が出来上がる。
2017年7月27日号の Nature ハイライト
腫瘍免疫学:PTPN2の欠失が腫瘍抑制を高める
エピジェネティクス:非カノニカルなゲノムインプリンティング
応用物理学:脳ネットワークのコンピューター化で音声認識
有機化学:柔軟な抗生物質の構造を突き止める
環境科学:生物多様性喪失の脅威は手付かずの景観で最大となる
神経科学:シナプスが情景を設定する
がん:脂質の分解が治療抵抗性をもたらす
遺伝学:放射線曝露の副次的影響についての分子レベルの手掛かり
構造生物学:カンナビノイド受容体の構造