Nature ハイライト
腫瘍免疫学:PTPN2の欠失が腫瘍抑制を高める
Nature 547, 7664
PD-1チェックポイント阻害などのがん免疫療法による治療は、少数の患者でしか効果が見られず、新しい治療戦略を研究する必要性が示唆されている。N Hainingたちは今回、マウスB16可移植腫瘍モデルにおいて、免疫チェックポイント阻害への応答に影響を及ぼす遺伝子を突き止めるためのCRISPR–Cas9系を用いた機能ゲノミクス手法について報告している。彼らは、腫瘍細胞でのホスファターゼPTPN2の機能喪失が、抗原提示や増殖抑制に対するインターフェロンγを介した効果を増強することを突き止めた。この知見は、PTPN2ががん免疫療法の有望な標的であり、腫瘍モデルでのin vivo遺伝学的スクリーニングが他の有望な標的を明らかにするのに役立つ可能性を示唆している。
2017年7月27日号の Nature ハイライト
腫瘍免疫学:PTPN2の欠失が腫瘍抑制を高める
エピジェネティクス:非カノニカルなゲノムインプリンティング
応用物理学:脳ネットワークのコンピューター化で音声認識
有機化学:柔軟な抗生物質の構造を突き止める
環境科学:生物多様性喪失の脅威は手付かずの景観で最大となる
神経科学:シナプスが情景を設定する
がん:脂質の分解が治療抵抗性をもたらす
遺伝学:放射線曝露の副次的影響についての分子レベルの手掛かり
構造生物学:カンナビノイド受容体の構造