Nature ハイライト
応用物理学:脳ネットワークのコンピューター化で音声認識
Nature 547, 7664
神経形態学的コンピューティングでは、生物の脳の並外れた情報処理能力に着想を得て、画像やパターンの感覚信号としての認識といった、通常のコンピューターでは困難もしくはエネルギーを大量に消費してしまう特定の課題に取り組むための、人工のニューロンやシナプス、ネットワークの構築が試みられている。今回J Grollierたちは、ナノスケールの磁性体振動子を用いてニューロンの非線形振動のふるまいを模倣し、そうしたデバイスのネットワークの音声信号認識能力を調べた。この系は、標準データベースの5種類の声によって読み上げられた数字の音声を認識するよう訓練を受け、こうした音声を最先端の機械学習に匹敵する正確さで認識できるようになった。今回の結果は、チップベースの低電力脳型情報処理への新たな方向を開くものである。
2017年7月27日号の Nature ハイライト
腫瘍免疫学:PTPN2の欠失が腫瘍抑制を高める
エピジェネティクス:非カノニカルなゲノムインプリンティング
応用物理学:脳ネットワークのコンピューター化で音声認識
有機化学:柔軟な抗生物質の構造を突き止める
環境科学:生物多様性喪失の脅威は手付かずの景観で最大となる
神経科学:シナプスが情景を設定する
がん:脂質の分解が治療抵抗性をもたらす
遺伝学:放射線曝露の副次的影響についての分子レベルの手掛かり
構造生物学:カンナビノイド受容体の構造