Nature ハイライト
神経科学:脳血管細胞の分子地図
Nature 554, 7693
血管の良好な健康状態は、正常な脳機能に必須である。しかし、脳血管細胞の分子レベルでの体系的な特徴付けは、これまで行われていなかった。今回C Betsholtzたちは、単一細胞トランスクリプトミクスを用いて、成体マウスの脳における主要な血管細胞タイプの分子プロファイルを明らかにしている。内皮細胞の分子的なアイデンティティーと表現型は、動静脈軸に沿って徐々に変化するが、壁細胞は、動脈または細動脈の平滑筋細胞と、周皮細胞や静脈平滑筋細胞とに明確に分かれていた。また、周皮細胞の包括的な分子定義が提示され、周皮細胞は、1つ1つの器官では非常に均質だが、器官ごとでは全く違っていることも明らかになった。さらに、今回の解析からは新たな血管周囲細胞タイプが見つかり、この細胞は繊維芽細胞と部分的に類似し、毛細血管を除く全ての血管の外周を取り囲んでいた。
2018年2月22日号の Nature ハイライト
神経科学:脳血管細胞の分子地図
構造生物学:イオンチャネルピエゾ1の構造と作動機構
天文学:銀河の周りにある塊状の異方的なガス
天文学:生まれたばかりの超新星
ナノスケール材料:複数のシナプスを模倣するメモトランジスター
メカノケミストリー:圧力下で制御される化学
微生物学:球菌の細胞分裂についての難問
がん:大腸がんにおける免疫療法の回避
がん:免疫療法に対する応答性の予測因子
細胞生物学:BRAF活性化にMEKが果たす非触媒的役割