Nature ハイライト
有機化学:C–Cクロスカップリングと環化付加を組み合わせる
Nature 560, 7718
炭素–炭素(C–C)クロスカップリングは、化学合成に最もよく用いられる反応の1つである。この反応は化学工業に広く適用できるが、これを用いた医薬品開発では主に平面構造の化合物が合成されている。今回P Baranたちは、ラジカルクロスカップリング反応と環化付加反応を組み合わせて、炭素環系を中心とする複雑化合物を迅速に構築している。この化学変換は、さまざまな環化付加反応に適用でき、sp3炭素を多く持つさまざまな骨格をエナンチオ選択的に合成できる。また、モジュール性があるため誘導体を迅速に合成できる。今回、承認済みの抗精神病薬アセナピンなどのさまざまな医薬品をターゲットとする合成にこの手法が適用された。
2018年8月16日号の Nature ハイライト
ゲノミクス:肺塩類細胞は嚢胞性繊維症遺伝子を発現している
ゲノム編集:酵母細胞では染色体の数を減らしてもその適応度にはほとんど影響がない
エレクトロニクス:室温励起子デバイス
有機化学:C–Cクロスカップリングと環化付加を組み合わせる
有機化学:光触媒反応と酵素触媒反応を組み合わせる
視覚:色は見る者次第
幹細胞:オリゴデンドロサイトはステロールに基づく機序で形成される
ゲノミクス:塩類細胞を生じる気道細胞系譜
免疫学:エキソソームが腫瘍の免疫回避を助ける
がん:多タンパク質超複合体はリンパ腫で生存促進性シグナル伝達を誘導する