Nature ハイライト
視覚:色は見る者次第
Nature 560, 7718
範疇知覚(カテゴリー知覚)とは、刺激の受信者の知覚系が連続的に変化する刺激を異なる範疇に分類する機構のことで、範疇境界の異なる側に位置する色同士は弁別するが、同じ範疇内のものは弁別しない。今回S Nowickiたちは、キンカチョウ(Taeniopygia guttata)の雌が、雄のくちばしの色(雄の質の評価シグナルのよく研究された例)を、連続的知覚ではなく範疇知覚の様式で知覚していることを示唆する証拠を示している。自然界で見られるくちばしの色の差異に対応した色刺激を用いた実験から、雌が雄のくちばしの色をわずか2つの範疇に知覚的に分類することが示された。さらに、この分類が刺激の明るさだけによるものではないこと、そしてこれらの範疇が鳥類の光受容器の波長識別機能の結果としては生じていないことも明らかになった。著者たちが述べているように、これが評価シグナルの範疇知覚に関する最初の実証例であるとすれば、重要である可能性がある。
2018年8月16日号の Nature ハイライト
ゲノミクス:肺塩類細胞は嚢胞性繊維症遺伝子を発現している
ゲノム編集:酵母細胞では染色体の数を減らしてもその適応度にはほとんど影響がない
エレクトロニクス:室温励起子デバイス
有機化学:C–Cクロスカップリングと環化付加を組み合わせる
有機化学:光触媒反応と酵素触媒反応を組み合わせる
視覚:色は見る者次第
幹細胞:オリゴデンドロサイトはステロールに基づく機序で形成される
ゲノミクス:塩類細胞を生じる気道細胞系譜
免疫学:エキソソームが腫瘍の免疫回避を助ける
がん:多タンパク質超複合体はリンパ腫で生存促進性シグナル伝達を誘導する