Nature ハイライト
有機化学:一方のキラリティーのみを得る新しい方法
Nature 564, 7735
キラリティーは、小分子からDNAの右巻きらせんまで、生命体の重要な特徴である。ラセミ混合物から単一のエナンチオマーを得ることは合成における基本的目標であるが、エナンチオマーの縮退性のために、どちらか一方のエナンチオマーに有利な平衡はあり得ない。今回T Bachたちは、同一化合物のラセミ混合物からの単一エナンチオマーの形成を可能にする光化学的脱ラセミ化を報告している。光を照射すると、キラル増感剤からアレン基質へとエネルギー移動が起こる。この過程は、2つのエナンチオマー間で異なるので、ラセミ体の片方のエナンチオマーだけが選択的に変換され、単一のエナンチオマーが得られる。
2018年12月13日号の Nature ハイライト
気候科学:地球温暖化によって太平洋東部のエルニーニョ現象の変動が増大する
気候変動生態学:移動する熱帯の高木
幹細胞:より良い再プログラム化のための細胞系譜追跡
物性物理学:グラフェンシート間に形成された超高密度リチウム
有機化学:一方のキラリティーのみを得る新しい方法
文化進化学:ボルネオ島の初期の洞窟芸術
免疫学:心房性ナトリウム利尿ペプチドはサイトカイン放出症候群を防ぐ
ウイルス学:レトロウイルスDNAをサイレンシングする
微生物学:ファージ防御用化学兵器
分子生物学:Dna2は二本鎖切断部位でのDNA挿入を制限している