Nature ハイライト
免疫学:心房性ナトリウム利尿ペプチドはサイトカイン放出症候群を防ぐ
Nature 564, 7735
サイトカイン放出症候群(CRS)は過剰活性化した免疫応答の1つで、病原体に対してだけでなく、腫瘍溶解性ウイルス・細菌や改変したT細胞などの免疫調節療法に対しても起こり、重大な毒性を生じることがある。著者たちは今回、抗炎症タンパク質の1つである心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)が、腫瘍溶解性細菌やCAR-T細胞などのさまざまな治療法や敗血症により誘発されるCRSを防ぎ得ることを見いだしている。ANPは、マクロファージによるカテコールアミン合成を阻害することでCRSを防ぎ、治療の効果も損なわれないことから、この経路は免疫調節治療の有害な副作用を防ぐための治療標的候補であることが示唆される。
2018年12月13日号の Nature ハイライト
気候科学:地球温暖化によって太平洋東部のエルニーニョ現象の変動が増大する
気候変動生態学:移動する熱帯の高木
幹細胞:より良い再プログラム化のための細胞系譜追跡
物性物理学:グラフェンシート間に形成された超高密度リチウム
有機化学:一方のキラリティーのみを得る新しい方法
文化進化学:ボルネオ島の初期の洞窟芸術
免疫学:心房性ナトリウム利尿ペプチドはサイトカイン放出症候群を防ぐ
ウイルス学:レトロウイルスDNAをサイレンシングする
微生物学:ファージ防御用化学兵器
分子生物学:Dna2は二本鎖切断部位でのDNA挿入を制限している