Nature ハイライト
文化進化学:ボルネオ島の初期の洞窟芸術
Nature 564, 7735
ボルネオ島東部の辺境で発見された具象的な洞窟絵画の年代は、最古の芸術に関する我々の知識を深めるとともに、約2万年前に起こったと見られる、特徴的な洞窟芸術様式の目を見張るような開花の存在を示している。今回、動物を描いた大きな赤橙色の絵画を覆っていた炭酸塩堆積物の新たな年代測定によって、この絵画が少なくとも4万年前のものであることが示され、手形ステンシルの年代は5万1800~3万7000年前と推定された。さらに、複雑なモチーフを伴う別様式の手形ステンシルが約2万年前に出現したこと、また、人類の姿を描いた珍しい絵画は1万3600年前のものであることが分かった。著者たちは2014年にNatureに掲載された論文で、隣接するスラウェシ島で発見された具象的な洞窟絵画の年代が少なくとも3万5000年前、手形ステンシルの年代が最低4万年前であることを報告している。
2018年12月13日号の Nature ハイライト
気候科学:地球温暖化によって太平洋東部のエルニーニョ現象の変動が増大する
気候変動生態学:移動する熱帯の高木
幹細胞:より良い再プログラム化のための細胞系譜追跡
物性物理学:グラフェンシート間に形成された超高密度リチウム
有機化学:一方のキラリティーのみを得る新しい方法
文化進化学:ボルネオ島の初期の洞窟芸術
免疫学:心房性ナトリウム利尿ペプチドはサイトカイン放出症候群を防ぐ
ウイルス学:レトロウイルスDNAをサイレンシングする
微生物学:ファージ防御用化学兵器
分子生物学:Dna2は二本鎖切断部位でのDNA挿入を制限している