Nature ハイライト
神経科学:苦難をも乗り越える強迫的欲求
Nature 564, 7736
臨床的所見からも動物モデルを用いた研究からも、薬物を乱用する個体の一部は、有害な結果に直面しても強迫的に薬物を求め、使用し続けることはよく知られている。C Lüscherたちは今回、自己刺激するモデルマウスを用い、マウス集団の一部は、たとえ報酬獲得時に電気ショックを受けても自己刺激を続けることを明らかにしている。これは、眼窩前頭皮質と背側線条体間の結合の強化によって起こると考えられた。これらのシナプスの強度を下げると、強迫的な報酬探索は加罰によって停止した。負の強化刺激を受けても強迫的報酬探索を続けることは嗜癖の特徴の1つであるが、今回、その原因となる可能性のあるシナプス投射路が特定された。
2018年12月20日号の Nature ハイライト
古生物学:ジュラ紀の海生爬虫類に見られる皮膚の配色および脂肪層
神経科学:苦難をも乗り越える強迫的欲求
構造生物学:天然状態の水晶体中にあるギャップ結合チャネルの構造
天文学:惑星状星雲中で生成される希少同位体
核物理学:アクチノイドの質量非対称な分裂の謎
物性物理学:ひねりの効いたカシミール効果
神経科学:ショウジョウバエのCO2への誘引は行動状態に応じて変化する
幹細胞:血液の起源
医学研究:心臓の異種移植に成功
免疫学:ノンコーディングRNAの翻訳が免疫応答に重要な役割を果たす
生物工学:改変された直交性「ステープル型」リボソームが示す新たな機能性