Nature ハイライト
物性物理学:ひねりの効いたカシミール効果
Nature 564, 7736
量子力学のおかげで、エネルギーを持った粒子が何もない空間から短時間だけ出現し得る。2枚の金属板をわずかに離して設置すると、金属板の間と外側では量子ゆらぎに違いがあるため、2枚の板を近づけるように押す力が生じる。これがカシミール効果と呼ばれる現象である。金属板を光学異方性物質に置き換えると、量子ゆらぎによってトルクが生じる可能性があると予測されている。今回J Mundayたちは、液晶のねじれを通してそうしたカシミールトルクを実験的に実証し測定したことを報告している。
2018年12月20日号の Nature ハイライト
古生物学:ジュラ紀の海生爬虫類に見られる皮膚の配色および脂肪層
神経科学:苦難をも乗り越える強迫的欲求
構造生物学:天然状態の水晶体中にあるギャップ結合チャネルの構造
天文学:惑星状星雲中で生成される希少同位体
核物理学:アクチノイドの質量非対称な分裂の謎
物性物理学:ひねりの効いたカシミール効果
神経科学:ショウジョウバエのCO2への誘引は行動状態に応じて変化する
幹細胞:血液の起源
医学研究:心臓の異種移植に成功
免疫学:ノンコーディングRNAの翻訳が免疫応答に重要な役割を果たす
生物工学:改変された直交性「ステープル型」リボソームが示す新たな機能性