Nature ハイライト
構造生物学:ついに明らかになったクラスC GPCRの構造
Nature 566, 7742
クラスCのGタンパク質共役受容体(GPCR)は、他の全てのGPCRとは違っていて、二量体を形成し、大きな細胞外ドメインを持っており、このことが構造学的特徴付けを特に難しくしている。代謝型グルタミン酸(mGlu)受容体はクラスC GPCRの1つで、神経伝達物質グルタミン酸に応答する。今回B Kobilkaたちは今回、クライオ(極低温)電子顕微鏡法、結晶学の手法、それにシグナル伝達研究を組み合わせて用いて、mGlu5の活性化機構の特徴を明らかにした。細胞外のVFT(Venus flytrap)ドメインにアゴニストが結合すると大規模なコンホメーション再編成が引き起こされ、二量体の界面が圧縮されてシステインリッチドメインが引き寄せられ、近接するようになる。これによって、カノニカルなGPCR膜貫通ヘリックスが接触して、シグナル伝達過程が開始される。
2019年2月7日号の Nature ハイライト
量子物理学:多体物理学の新しい解釈
加齢:レトロトランスポーザブルエレメントが老化細胞でインフラメージングを引き起こす
構造生物学:ついに明らかになったクラスC GPCRの構造
オプトメカニクス:振動子を極限まで追い込む
生化学:自然が作るN–N結合
神経科学:幹細胞機能の翻訳調節
生物工学:CopyCatはマウスで超メンデル遺伝を誘導する
免疫学:樹状突起伸長の仕組み
生理学:腸管の上皮細胞間Tリンパ球が全身の代謝を調節する
がんモデル:がんの成長パターン
細胞生物学:Sec61チャネルの構造