Nature ハイライト
神経科学:幹細胞機能の翻訳調節
Nature 566, 7742
幹細胞の運命決定に対する遺伝子発現の転写後調節の影響については分かっていない。A Martin-Villalbaたちは今回、in vivoで幹細胞がニューロンへと分化するときに、タンパク質合成が高度に調節されることを報告している。彼らは、単離した少数の細胞から活発に翻訳されているRNAの精製を可能にするタグ付リボソームタンパク質「RiboTag」を発現するマウスモデルを用いた。総mRNAと翻訳中のmRNAを比較したところ、幹細胞が前駆細胞運命に拘束されたときに、幹細胞因子をコードするmRNAや翻訳装置に関わるタンパク質をコードするmRNAなど、一部のmRNAの翻訳が低下することが分かった。こうした低下はmTORC1活性の減少と相関があり、幹細胞因子の転写後抑制が幹細胞性からの脱出を促進する機構を明らかにしている。
2019年2月7日号の Nature ハイライト
量子物理学:多体物理学の新しい解釈
加齢:レトロトランスポーザブルエレメントが老化細胞でインフラメージングを引き起こす
構造生物学:ついに明らかになったクラスC GPCRの構造
オプトメカニクス:振動子を極限まで追い込む
生化学:自然が作るN–N結合
神経科学:幹細胞機能の翻訳調節
生物工学:CopyCatはマウスで超メンデル遺伝を誘導する
免疫学:樹状突起伸長の仕組み
生理学:腸管の上皮細胞間Tリンパ球が全身の代謝を調節する
がんモデル:がんの成長パターン
細胞生物学:Sec61チャネルの構造