Nature ハイライト
生理学:腸管の上皮細胞間Tリンパ球が全身の代謝を調節する
Nature 566, 7742
マウスの腸管の上皮細胞間Tリンパ球(IEL)は、小腸にホーミングするためにインテグリンβ7 を必要とする。インテグリンβ7を欠損しているマウスの腸にはIELが存在しないが、IELが存在しないと代謝に有益な結果がもたらされることが、今回明らかになった。これは特に、高脂質で高糖質の食餌を摂取した場合に顕著であった。この変異型マウスは、基礎代謝が高く、食餌誘発性の肥満、高コレステロール血症、高血圧、糖尿病、アテローム性動脈硬化に抵抗性を示した。骨髄細胞や腸管IELにインテグリンβ7を欠くマウスでは、腸管で産生されるインクレチンホルモンであるGLP-1の活性が上昇し、これが次いでインスリンの分泌を刺激し、グルコースレベルの正常化や他の有益な代謝効果につながった。
2019年2月7日号の Nature ハイライト
量子物理学:多体物理学の新しい解釈
加齢:レトロトランスポーザブルエレメントが老化細胞でインフラメージングを引き起こす
構造生物学:ついに明らかになったクラスC GPCRの構造
オプトメカニクス:振動子を極限まで追い込む
生化学:自然が作るN–N結合
神経科学:幹細胞機能の翻訳調節
生物工学:CopyCatはマウスで超メンデル遺伝を誘導する
免疫学:樹状突起伸長の仕組み
生理学:腸管の上皮細胞間Tリンパ球が全身の代謝を調節する
がんモデル:がんの成長パターン
細胞生物学:Sec61チャネルの構造