Nature ハイライト
生化学:自然が作るN–N結合
Nature 566, 7742
ストレプトゾトシンは、N-ニトロソ基を持つ天然物由来の化学療法薬で、特に膵臓がんに用いられている。今回E Balskusたちは、ストレプトゾトシンの生合成について報告している。この生合成では、N-メチル-L-アルギニンの酸化的転位を触媒してN-ニトロソ尿素生成物を生じる金属酵素SznFによって、珍しいN–N結合が形成される。このN–N結合形成は自然界にほとんど前例がないが、SznFのホモログは細菌の間で広く見られることが見いだされた。これは、生物活性化合物がさらに発見される可能性を示唆している。
2019年2月7日号の Nature ハイライト
量子物理学:多体物理学の新しい解釈
加齢:レトロトランスポーザブルエレメントが老化細胞でインフラメージングを引き起こす
構造生物学:ついに明らかになったクラスC GPCRの構造
オプトメカニクス:振動子を極限まで追い込む
生化学:自然が作るN–N結合
神経科学:幹細胞機能の翻訳調節
生物工学:CopyCatはマウスで超メンデル遺伝を誘導する
免疫学:樹状突起伸長の仕組み
生理学:腸管の上皮細胞間Tリンパ球が全身の代謝を調節する
がんモデル:がんの成長パターン
細胞生物学:Sec61チャネルの構造