Nature ハイライト
Cover Story:よく練られた繁殖戦略:オニオオハシカッコウの協同繁殖から托卵への切り替えが巣の捕食から逃れるのに役立つ仕組み
Nature 567, 7746
今週号では、オニオオハシカッコウ(Crotophaga major)と呼ばれる熱帯のカッコウの営巣戦略の研究で、不正行為の潜在的な利益と不利益が明らかにされている。通常この鳥は、2羽以上の雌とその配偶者が巣を共有する協同繁殖を選ぶ。しかし、この最初の巣が壊されると、雌の一部は戦術を変え、他の巣に産卵して放置し、その巣の所有者に子の世話をさせるという托卵行為に及ぶ。今回C RiehlとM Strongは、パナマでの11年間の野外調査で得られたデータを用いて、この2つの繁殖戦略の適応度利得がほぼ同じであることを示している。托卵を選んだ雌は卵をより多く産むが、寄生者の卵は孵化しないことが多いため、ヒナの生存率がより低かった。一方、常に協同繁殖する雌が産む卵は少ないが、そのヒナの生存率はより高い。今回の結果は、これら2つの繁殖行動が巣の捕食を避けるための代替戦術として進化してきたことを示唆している。
2019年3月7日号の Nature ハイライト
医学研究:ヒト膵α・γ細胞の可塑性の1型糖尿病治療法としての可能性
量子物理学:量子スクランブリング
物性物理学:ねじれた二次元半導体ヘテロ構造のモアレ励起子
物性物理学:ファンデルワールスヘテロ構造のモアレ設計
物性物理学:ねじれた二次元半導体ヘテロ構造における混成励起子
分子生物学:雌の胚は複製によるストレスと炎症に影響を受けやすい
ウイルス学:コウモリインフルエンザウイルスの種を超えた侵入因子の特定
神経幹細胞:微小管を介した神経発生の調節
生物工学:発酵してカンナビノイドを作る酵母
膜の生物物理学:Gタンパク質共役型イオンチャネルのシグナル伝達