Nature ハイライト

生物工学:発酵してカンナビノイドを作る酵母

Nature 567, 7746

大麻(Cannabis sativa L.)は数千年にわたって栽培されてきており、その医療目的での使用については、ますます関心が高まっている。だが、天然物であるその活性成分の存在量は少なく、しかも化学構造が複雑であることがさらなる利用法開発を妨げてきた。J Keaslingたちは今回、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)に改変を加え、さまざまな生物由来の多数の酵素を導入することによって、主要なカンナビノイドの一部、すなわちカンナビゲロール酸(CBGA)、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、Δ9-テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)とカンナビジバリン酸(CBDVA)を、単糖であるガラクトースから効率よく生合成させたことを報告している。この系を使えば、天然および非天然のカンナビノイドの両方を効率的に産生できるので、科学研究や臨床開発が促進されそうだ。

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