Nature ハイライト
生物工学:発酵してカンナビノイドを作る酵母
Nature 567, 7746
大麻(Cannabis sativa L.)は数千年にわたって栽培されてきており、その医療目的での使用については、ますます関心が高まっている。だが、天然物であるその活性成分の存在量は少なく、しかも化学構造が複雑であることがさらなる利用法開発を妨げてきた。J Keaslingたちは今回、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)に改変を加え、さまざまな生物由来の多数の酵素を導入することによって、主要なカンナビノイドの一部、すなわちカンナビゲロール酸(CBGA)、Δ9-テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、Δ9-テトラヒドロカンナビバリン酸(THCVA)とカンナビジバリン酸(CBDVA)を、単糖であるガラクトースから効率よく生合成させたことを報告している。この系を使えば、天然および非天然のカンナビノイドの両方を効率的に産生できるので、科学研究や臨床開発が促進されそうだ。
2019年3月7日号の Nature ハイライト
医学研究:ヒト膵α・γ細胞の可塑性の1型糖尿病治療法としての可能性
量子物理学:量子スクランブリング
物性物理学:ねじれた二次元半導体ヘテロ構造のモアレ励起子
物性物理学:ファンデルワールスヘテロ構造のモアレ設計
物性物理学:ねじれた二次元半導体ヘテロ構造における混成励起子
分子生物学:雌の胚は複製によるストレスと炎症に影響を受けやすい
ウイルス学:コウモリインフルエンザウイルスの種を超えた侵入因子の特定
神経幹細胞:微小管を介した神経発生の調節
生物工学:発酵してカンナビノイドを作る酵母
膜の生物物理学:Gタンパク質共役型イオンチャネルのシグナル伝達