Nature ハイライト
免疫学:NR4A欠損T細胞は腫瘍負荷を軽減する
Nature 567, 7749
A Raoたちは今回、マウス腫瘍モデルの固形腫瘍に対する養子T細胞移入療法におけるT細胞機能の転写制御を評価した。この研究から、T細胞の慢性刺激に関連する共有プログラムが、転写因子であるNFATとNR4Aによって引き起こされることを示す証拠が得られた。このプログラムは、サイトカイン産生の低下および抑制性受容体発現の上昇に一致して、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞の機能を制限する。Nr4a欠損CAR T細胞では、転写プログラムが疲弊からエフェクター機能増強へと移行するために、こうした細胞の移入によって腫瘍負荷が減少し、生存が延長することが示された。この研究から、NR4Aの単独阻害や他の治療法との併用が、CAR T細胞療法の有効性を高める有望な手法になる可能性を示唆している。
2019年3月28日号の Nature ハイライト
がん遺伝学:がんにおけるヒストン変異の解析
構造生物学:細菌内膜からのリポ多糖の移動
量子物理学:量子プロセッサーの誤り軽減
材料科学:柔粘性結晶を用いる冷却技術
がん治療:組織球性新生物におけるMEK阻害
免疫学:T細胞寛容におけるNR4A1の役割
免疫学:NR4A欠損T細胞は腫瘍負荷を軽減する
エピジェネティクス:ヒストンのセロトニン化
乳がん:ストレスホルモンが転移を促進する
分子生物学:BRCA1はMYCNが誘導する転写を救済する