Nature ハイライト
エピジェネティクス:ヒストンのセロトニン化
Nature 567, 7749
神経伝達物質セロトニンのようなモノアミン類は、トランスグルタミナーゼ2(TGM2)によるアミド基転移によって特定のタンパク質と共有結合を形成することが明らかになっている。今回I Mazeたちは、TGM2がヒストンH3のGln5のセロトニン化を触媒できること、そしてこのマークはH3K4me3という活性化ヒストンマークが存在するときに生じることを明らかにしている。この二重のマークH3K4me3Q5serは脳と腸(大量のセロトニンが産生されている臓器)に多く存在し、活発な遺伝子発現と相関している。これらの知見は、セロトニンがこれまで知られていた神経伝達や細胞のシグナル伝達での役割に加えて、遺伝子発現の仲介にも役割を果たしていることを示している。
2019年3月28日号の Nature ハイライト
がん遺伝学:がんにおけるヒストン変異の解析
構造生物学:細菌内膜からのリポ多糖の移動
量子物理学:量子プロセッサーの誤り軽減
材料科学:柔粘性結晶を用いる冷却技術
がん治療:組織球性新生物におけるMEK阻害
免疫学:T細胞寛容におけるNR4A1の役割
免疫学:NR4A欠損T細胞は腫瘍負荷を軽減する
エピジェネティクス:ヒストンのセロトニン化
乳がん:ストレスホルモンが転移を促進する
分子生物学:BRCA1はMYCNが誘導する転写を救済する