Nature ハイライト
分子生物学:BRCA1はMYCNが誘導する転写を救済する
Nature 567, 7749
転写因子をコードしているMYCNは神経芽細胞腫では増幅されていて、腫瘍発生のドライバーとなる。今回M Eilersたちは、MYCNを過剰発現する細胞のプロモーターへBRCA1が引き寄せられ、そこでBRCA1の動員がRNAポリメラーゼIIの停止を防ぎ、MYCNが誘導する遺伝子発現を増幅させることを明らかにしている。脱調節したMYCNによって引き起こされる転写ストレスがこの機構によって克服され、MYCNによる腫瘍の発生が促進されるらしい。
2019年3月28日号の Nature ハイライト
がん遺伝学:がんにおけるヒストン変異の解析
構造生物学:細菌内膜からのリポ多糖の移動
量子物理学:量子プロセッサーの誤り軽減
材料科学:柔粘性結晶を用いる冷却技術
がん治療:組織球性新生物におけるMEK阻害
免疫学:T細胞寛容におけるNR4A1の役割
免疫学:NR4A欠損T細胞は腫瘍負荷を軽減する
エピジェネティクス:ヒストンのセロトニン化
乳がん:ストレスホルモンが転移を促進する
分子生物学:BRCA1はMYCNが誘導する転写を救済する