Nature ハイライト
Cover Story:暑さの感受性:海生動物は陸生動物よりも気候温暖化に対して脆弱であることが示された
Nature 569, 7754
地球温暖化の進行に伴い、研究者たちは、気温上昇によってどの生態系と種が最も深刻な影響を受けるかを調べることで、保全の取り組みを導くのに役立てたいと考えている。今回M Pinskyたちは、387種の外温動物の気候変動に対する感受性を評価し、陸生種より海洋動物の方がより脆弱であることを見いだしている。調べた299の陸生種と88の海生種について、それぞれの動物が耐え得る最高温度と実際に経験している最高温度との差で表される温度安全域(thermal safety margin)を算出した結果、陸域では最も危険にさらされている種は中緯度域に見られたが、海洋では熱帯域に見られた。著者たちは、種の生息域の高温端で起こる局地的な絶滅の頻度が、海洋では陸域の2倍になっていることから、海生種の脆弱性は高く、その影響はすでに現れていると示唆している。
2019年5月2日号の Nature ハイライト
核物理学:核の魔法
発生生物学:腸オルガノイドにおける対称性の破れ
免疫学:FATP2による多形核骨髄由来免疫抑制細胞の調節
分子進化学:適応免疫の進化
材料科学:高温で強いバルク金属ガラス
生命の起源:前生物的代謝回路
言語学:北方の有力集団
神経科学:「クラブドラッグ」で社会的臨界期が再開する
発生生物学:腸を復活させる
構造生物学:セロトニン輸送の仕組みの解明