Nature ハイライト
免疫学:FATP2による多形核骨髄由来免疫抑制細胞の調節
Nature 569, 7754
好中球は病原体から体を守るのに重要な働きをするが、がんの際には免疫抑制や腫瘍促進という性質を獲得する。D Gabrilovichたちは今回、脂質輸送体である脂肪酸輸送タンパク質2(FATP2)が、好中球の多形核骨髄由来免疫抑制細胞(PMN-MDSC)への再プログラム化に重要な役割を担っていること、それがアラキドン酸の取り込みとプロスタグランジンE2(PGE2)の合成促進を介して起こることを明らかにした。この輸送体を阻害すると、マウスでは腫瘍進行が遅くなる。この知見は、より有効性の高いがん治療法の開発につながるかもしれない。
2019年5月2日号の Nature ハイライト
核物理学:核の魔法
発生生物学:腸オルガノイドにおける対称性の破れ
免疫学:FATP2による多形核骨髄由来免疫抑制細胞の調節
分子進化学:適応免疫の進化
材料科学:高温で強いバルク金属ガラス
生命の起源:前生物的代謝回路
言語学:北方の有力集団
神経科学:「クラブドラッグ」で社会的臨界期が再開する
発生生物学:腸を復活させる
構造生物学:セロトニン輸送の仕組みの解明