Nature ハイライト
言語学:北方の有力集団
Nature 569, 7754
シナ・チベット語族は、インド・ヨーロッパ語族に次いで世界で2番目に大きな言語群で、インド・ヨーロッパ語族と同様に、その「原郷」、すなわち究極の起源地に関して相反する2つの仮説が存在する。「北部起源説」は、その起源を約6000年前の黄河峡谷としており、有名な考古学的遺物と関連付けられている。一方の「西南部起源説」は、その起源を9000年前以前の中国西南部、またははるかインド北部とするもので、これらの地域には現在、小規模ながら多様なチベット・ビルマ語派が多く存在する。L Jinたちは今回、シナ・チベット語族の109言語に関してスワデシュ・リストの同根語100個の比較を行い、ベイズ系統解析法を適用することにより、この重要な語族の北部起源説を支持する結果を得ている。
2019年5月2日号の Nature ハイライト
核物理学:核の魔法
発生生物学:腸オルガノイドにおける対称性の破れ
免疫学:FATP2による多形核骨髄由来免疫抑制細胞の調節
分子進化学:適応免疫の進化
材料科学:高温で強いバルク金属ガラス
生命の起源:前生物的代謝回路
言語学:北方の有力集団
神経科学:「クラブドラッグ」で社会的臨界期が再開する
発生生物学:腸を復活させる
構造生物学:セロトニン輸送の仕組みの解明