Nature ハイライト
構造生物学:セロトニン輸送の仕組みの解明
Nature 569, 7754
セロトニンのような神経伝達物質はニューロンから放出され、シナプス間隙を横断して近傍のニューロンの受容体に結合し、そこで他の神経伝達物質の影響を調節する。セロトニン輸送体(SERT)は、このような影響を調節するように働くので、セロトニン作動性シグナル伝達の重要な要素であり、抗うつ剤や精神刺激薬の標的でもある。今回E Gouauxたちは、幻覚剤であるイボガインと結合したSERTの構造を解き、輸送サイクル中のさまざまな状態にある輸送体の構造を明らかにしている。この結果から、SERTが機能する仕組みについての重要な情報が得られた。こうした情報はドーパミンやノルアドレナリンのような他の神経伝達物質の輸送体にも関係すると考えられる。
2019年5月2日号の Nature ハイライト
核物理学:核の魔法
発生生物学:腸オルガノイドにおける対称性の破れ
免疫学:FATP2による多形核骨髄由来免疫抑制細胞の調節
分子進化学:適応免疫の進化
材料科学:高温で強いバルク金属ガラス
生命の起源:前生物的代謝回路
言語学:北方の有力集団
神経科学:「クラブドラッグ」で社会的臨界期が再開する
発生生物学:腸を復活させる
構造生物学:セロトニン輸送の仕組みの解明