Nature ハイライト
発生生物学:腸オルガノイドにおける対称性の破れ
Nature 569, 7754
腸オルガノイドは、単一の幹細胞からの器官の組織化を再現した最初の例で、腸の維持、再生、機能不全を研究するための重要なプラットフォームとなっている。P Liberaliたちは今回、単一細胞での画像化法と遺伝子発現解析を組み合わせて、腸オルガノイドの再生過程の特徴を明らかにしている。単一細胞が均一な環境で増殖して球状の構造を形成する際に、1つの細胞で一過的に起こるYAP1の活性化が、腸陰窩の再構築を可能にする対称性の破れ事象を起こすためのカギであり、これによって最初のパネート細胞の分化が開始することが分かった。この研究で示された画像化プラットフォームは、組織形成における他の自己組織化事象の解析を可能にすると考えられる。
2019年5月2日号の Nature ハイライト
核物理学:核の魔法
発生生物学:腸オルガノイドにおける対称性の破れ
免疫学:FATP2による多形核骨髄由来免疫抑制細胞の調節
分子進化学:適応免疫の進化
材料科学:高温で強いバルク金属ガラス
生命の起源:前生物的代謝回路
言語学:北方の有力集団
神経科学:「クラブドラッグ」で社会的臨界期が再開する
発生生物学:腸を復活させる
構造生物学:セロトニン輸送の仕組みの解明