Nature ハイライト

量子物理学:捕捉されたリュードベリイオン間の高速エンタングリングゲート

Nature 580, 7803

量子系の集団が量子コンピューターとしてうまく機能するかどうかは、コヒーレンス時間(各キュービットの量子特性が離調するまでにどれだけ持続するか)と、キュービット対の間に相関を生成するのにかかる時間という、2つの競合する時間スケールによって決まる。捕捉イオンの列は、非常に長い時間コヒーレントなままであるが、エンタングリングゲート操作がかなり遅いという問題がある。中性のリュードベリ原子は、双極子–双極子相互作用を介して迅速にエンタングルさせることができるが、捕捉して環境から遮蔽するのは非常に難しい。今回、実験によって両方の長所が組み合わされ、捕捉されたリュードベリイオン間の700 nsの2イオンエンタングリングゲートが報告されている。この手法によって、量子コンピューティングにおける捕捉原子系の性能を改善する方法が得られる可能性がある。

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