Nature ハイライト
量子物理学:捕捉されたリュードベリイオン間の高速エンタングリングゲート
Nature 580, 7803
量子系の集団が量子コンピューターとしてうまく機能するかどうかは、コヒーレンス時間(各キュービットの量子特性が離調するまでにどれだけ持続するか)と、キュービット対の間に相関を生成するのにかかる時間という、2つの競合する時間スケールによって決まる。捕捉イオンの列は、非常に長い時間コヒーレントなままであるが、エンタングリングゲート操作がかなり遅いという問題がある。中性のリュードベリ原子は、双極子–双極子相互作用を介して迅速にエンタングルさせることができるが、捕捉して環境から遮蔽するのは非常に難しい。今回、実験によって両方の長所が組み合わされ、捕捉されたリュードベリイオン間の700 nsの2イオンエンタングリングゲートが報告されている。この手法によって、量子コンピューティングにおける捕捉原子系の性能を改善する方法が得られる可能性がある。
2020年4月16日号の Nature ハイライト
量子物理学:捕捉されたリュードベリイオン間の高速エンタングリングゲート
ナノスケールデバイス:より高い温度で動作するシリコン量子コンピューター
地球化学:地球マントルに保持されている集積時に受け継がれた始原的窒素の残滓
進化学:ホモ・ローデシエンシスの年代
神経変性:タウの拡散を制御する
免疫学:ヒストンメチルトランスフェラーゼSETBD1の炎症性腸疾患を防ぐ役割
免疫学:ZBP1による内因性Z-DNAの感知がRIPK3依存性のネクロトーシスや炎症を引き起こす
がん:髄芽腫の生殖細胞系列性の素因となるエロンゲーター複合体欠損
計算生物学:ヒトタンパク質のインタラクトーム
構造生物学:排出輸送体で結核菌に運び込む