Nature ハイライト
有機化学:光を用いたアニリン合成
Nature 584, 7819
アニリンは、医薬品などの貴重な化学品の製造に広く応用されている芳香族アミンである。一般的に、アニリンは親芳香族化合物とアミンのカップリングによって合成されるが、そうした方法は、正しい位置化学を有する反応物の合成に長い手順を要することが多いために制限されている。今回D Leonoriたちは、コバルト触媒反応と光触媒反応を用いて、シクロヘキサノンとアミンからアニリンを合成している。その際、中間体であるエナミンが段階的に脱水素化されてアニリン生成物が形成される。この方法は、市販の薬剤の合成や、複雑分子の合成後期段階での官能基化によって実証されたように、従来のクロスカップリング法と比べてはるかに融通が利く。
2020年8月6日号の Nature ハイライト
有機化学:光を用いたアニリン合成
海洋科学:海洋熱波は熱環境を変位させる
考古学:3万年前までさかのぼるメキシコでの人類の居住年代
考古学:人類は2万6500年前には北米大陸に定着していた
発生生物学:胚発生では細胞のpHが運命を決定する
植物生物学:成長速度の調節
コロナウイルス:SARS-CoV-2中和抗体の単離
コロナウイルス:2つのヒトモノクローナル抗SARS-CoV-2抗体の特性解析
遺伝学:クローン造血の構造パターンと選択圧を明らかにする
生化学:植物アルカロイドの生合成経路
構造生物学:SARS-CoV-2の複製