Nature ハイライト
気候科学:適度に差別化した炭素課税によって得られる強力な気候緩和
Nature 588, 7837
一般に、均一な炭素税は、炭素排出量を削減し気候変動を緩和する効率の良い方法であると認識されている。しかし、均一な課税は、気候変動を生み出した責任が歴史的にほとんどない国々に不当な影響を及ぼす傾向があると思われる。一方、税収を国民所得の関数として積極的に再分配することは、国家主権に対する侵害という問題があると見なされる可能性がある。今回N Bauerたちは、適度に差別化した炭素価格(つまり、気候変動に対する歴史的責任がより大きく豊かな国ほど少しだけ高くなる)によって、公平性や主権に関する大きな懸念を伴わずに、均一な炭素税とほぼ同程度の気候緩和が得られると思われることを示している。
2020年12月10日号の Nature ハイライト
素粒子物理学:標準的な衝突から得られるエキゾチックな物理
ナノスケール材料:毛管凝縮の限界を探る
気候科学:適度に差別化した炭素課税によって得られる強力な気候緩和
生態学:脊椎動物のクラスター化した減少と全球規模の壊滅的な減少を区別する
古生物学:太古の鳥類の多様なくちばし
ゲノミクス:コムギゲノムアセンブリで世界的な遺伝的多様性を調べる
ゲノミクス:オオムギのパンゲノム
神経科学:アストロサイトは抑制性シナプスの形成を調節する
ウイルス学:ベネズエラウマ脳炎ウイルスの受容体
免疫学:COVID-19患者における免疫応答の性差
コロナウイルス:SARS-CoV-2のスパイクは膜融合のための準備を行う