Nature ハイライト

ウイルス学:ベネズエラウマ脳炎ウイルスの受容体

Nature 588, 7837

ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)は南北アメリカ大陸全域に広く分布しており、蚊を介してヒトに感染し、重篤な脳炎や長期的な神経障害を引き起こすことがある。今回M Diamondたちは、このウイルスのヒト受容体を突き止めている。彼らは、CRISPR–Cas9を利用したスクリーニングを行い、LDLRAD3が受容体候補であることを見いだした。そして、このLDLRAD3がVEEV粒子に直接結合し、ウイルスの細胞への侵入を促進することを明らかにした。Ldlrad3を欠損したマウスは、VEEVによって引き起こされる疾患に抵抗性を示し、また、デコイ受容体融合タンパク質を投与すると、VEEVの複数のサブタイプによって引き起こされる疾患を防げることが分かった。

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