Nature ハイライト
ウイルス学:ベネズエラウマ脳炎ウイルスの受容体
Nature 588, 7837
ベネズエラウマ脳炎ウイルス(VEEV)は南北アメリカ大陸全域に広く分布しており、蚊を介してヒトに感染し、重篤な脳炎や長期的な神経障害を引き起こすことがある。今回M Diamondたちは、このウイルスのヒト受容体を突き止めている。彼らは、CRISPR–Cas9を利用したスクリーニングを行い、LDLRAD3が受容体候補であることを見いだした。そして、このLDLRAD3がVEEV粒子に直接結合し、ウイルスの細胞への侵入を促進することを明らかにした。Ldlrad3を欠損したマウスは、VEEVによって引き起こされる疾患に抵抗性を示し、また、デコイ受容体融合タンパク質を投与すると、VEEVの複数のサブタイプによって引き起こされる疾患を防げることが分かった。
2020年12月10日号の Nature ハイライト
素粒子物理学:標準的な衝突から得られるエキゾチックな物理
ナノスケール材料:毛管凝縮の限界を探る
気候科学:適度に差別化した炭素課税によって得られる強力な気候緩和
生態学:脊椎動物のクラスター化した減少と全球規模の壊滅的な減少を区別する
古生物学:太古の鳥類の多様なくちばし
ゲノミクス:コムギゲノムアセンブリで世界的な遺伝的多様性を調べる
ゲノミクス:オオムギのパンゲノム
神経科学:アストロサイトは抑制性シナプスの形成を調節する
ウイルス学:ベネズエラウマ脳炎ウイルスの受容体
免疫学:COVID-19患者における免疫応答の性差
コロナウイルス:SARS-CoV-2のスパイクは膜融合のための準備を行う