Nature ハイライト
材料科学:ナノスケールの秩序を持つ巨視的な固体
Nature 591, 7851
あらゆる材料の物理的特性は、その構造、すなわち基本構成要素の秩序に起因する。従って、材料科学の主な目標は、巨視的な固体をボトムアップ方式で設計し、構成要素の性質と配列の精密な制御によって有用な機能を付与することである。今回R Macfarlaneたちは、まさにこれを実行する方法として、7桁にわたる階層的秩序を持つセンチメートルスケールの自立固体の作製を報告している。彼らは、ポリマーで覆われた金属ナノ粒子から出発して、こうした粒子を自己集合させて超格子を形成した後、マイクロメートルサイズの結晶子を形成し、これらをさらに加工することで任意形状の構造の形成を可能にしている。この工程は、既存の方法と比べて速やかに実施でき、目的に合わせた材料特性を持つ巨視的な3D構造を大量に形成する実行可能な手段をもたらす可能性がある。
2021年3月25日号の Nature ハイライト
計測学:最高精度の周波数比測定
材料科学:ナノスケールの秩序を持つ巨視的な固体
海洋科学:全球の海洋混合層底部における成層の増大
生物地球化学:植物と土壌の間の炭素の取引
神経回路:学ぶことを学ぶ
マイクロバイオーム:腸の微生物相の組み立てを支える生態学的相互作用
コロナウイルス:SARS-CoV-2に対する記憶B細胞応答の6か月にわたる進化
免疫学:腫瘍微小環境の制御性T細胞は乳酸を栄養源として優先的に使用できる
細胞生物学:ケーブルと雲と彗星によるミトコンドリアの分配
分子生物学:セントロメア領域のクロマチンを不安定化する