Nature ハイライト
生物地球化学:植物と土壌の間の炭素の取引
Nature 591, 7851
陸上の生物圏は、大気中の人為起源の二酸化炭素(CO2)を毎年大量に除去している。こうした陸上の炭素シンクが将来どうなるかは、CO2濃度の上昇が植物と土壌の炭素貯蔵量に及ぼす影響に部分的に依存する。C Terrerたちは今回、多数のCO2濃度上昇実験の結果を総合し、植物生物量がCO2濃度の上昇に強く刺激されると土壌の炭素貯蔵量は減少するが、植物生物量への刺激が弱いと土壌炭素は蓄積することを明らかにしている。彼らは、このトレードオフが、土壌から栄養素を取り出すことで自らの生物量を増加させるという植物の栄養素獲得戦略と関係している可能性があるとしている。土壌による炭素の取り込みは、こうした栄養素獲得の結果、減少する。
2021年3月25日号の Nature ハイライト
計測学:最高精度の周波数比測定
材料科学:ナノスケールの秩序を持つ巨視的な固体
海洋科学:全球の海洋混合層底部における成層の増大
生物地球化学:植物と土壌の間の炭素の取引
神経回路:学ぶことを学ぶ
マイクロバイオーム:腸の微生物相の組み立てを支える生態学的相互作用
コロナウイルス:SARS-CoV-2に対する記憶B細胞応答の6か月にわたる進化
免疫学:腫瘍微小環境の制御性T細胞は乳酸を栄養源として優先的に使用できる
細胞生物学:ケーブルと雲と彗星によるミトコンドリアの分配
分子生物学:セントロメア領域のクロマチンを不安定化する