Nature ハイライト

マイクロバイオーム:腸の微生物相の組み立てを支える生態学的相互作用

Nature 591, 7851

出生後の腸の微生物相の組み立ては著しく順序付けられていて、多くの要因の影響を受けるが、経時的にパターン化された組み立ての進行を駆動する力はまだ完全には解明されていない。今回S Rakoff-Nahoumたちは、微生物細胞の絶対個体数の定量化のために新しく開発した方法を用いて、早産児の腸の微生物相の長期的な動態を調べ、さらにモデル化によって、経時的な群集の構成の変化に一致する微生物間の生態学的相互作用を推定している。相互作用に関与する微生物で単離されたものについては、いくつかのケースでこれらの生態学的相互作用がin vitroで再現されたが、他のケースでは腸の環境に依存していた。これらのデータから、早産児においては、界の間の直接的な動態などのペアワイズ相互作用が、微生物相の組み立てを駆動することが示された。今回の知見は、腸の微生物生態学の基本的な理解を深める重要なものである。

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