Nature ハイライト
マイクロバイオーム:腸の微生物相の組み立てを支える生態学的相互作用
Nature 591, 7851
出生後の腸の微生物相の組み立ては著しく順序付けられていて、多くの要因の影響を受けるが、経時的にパターン化された組み立ての進行を駆動する力はまだ完全には解明されていない。今回S Rakoff-Nahoumたちは、微生物細胞の絶対個体数の定量化のために新しく開発した方法を用いて、早産児の腸の微生物相の長期的な動態を調べ、さらにモデル化によって、経時的な群集の構成の変化に一致する微生物間の生態学的相互作用を推定している。相互作用に関与する微生物で単離されたものについては、いくつかのケースでこれらの生態学的相互作用がin vitroで再現されたが、他のケースでは腸の環境に依存していた。これらのデータから、早産児においては、界の間の直接的な動態などのペアワイズ相互作用が、微生物相の組み立てを駆動することが示された。今回の知見は、腸の微生物生態学の基本的な理解を深める重要なものである。
2021年3月25日号の Nature ハイライト
計測学:最高精度の周波数比測定
材料科学:ナノスケールの秩序を持つ巨視的な固体
海洋科学:全球の海洋混合層底部における成層の増大
生物地球化学:植物と土壌の間の炭素の取引
神経回路:学ぶことを学ぶ
マイクロバイオーム:腸の微生物相の組み立てを支える生態学的相互作用
コロナウイルス:SARS-CoV-2に対する記憶B細胞応答の6か月にわたる進化
免疫学:腫瘍微小環境の制御性T細胞は乳酸を栄養源として優先的に使用できる
細胞生物学:ケーブルと雲と彗星によるミトコンドリアの分配
分子生物学:セントロメア領域のクロマチンを不安定化する