Nature ハイライト
海洋科学:全球の海洋混合層底部における成層の増大
Nature 591, 7851
現代の気候変動の時代において、海洋は変化し続けている。海洋がより多くの熱を吸収し、より酸性化していることは明らかだが、広大な領域にわたる観測がまばらであるため、他の側面を突き止めるのはまだ難しい。今回J Salléeたちは、数多くのデータソースを再評価して統合し、海洋上層の風と潮汐によって常に混合されている部分である混合層の著しい変化を明らかにしている。彼らは、過去50年間にわたって、混合層底部の密度勾配が10年当たり約9%増大し、混合層が10年当たり約3%厚くなっていることを見いだした。この研究結果は、特に対象期間初期の記録が必然的にまばらであるにもかかわらず、海洋混合層内の大きな変化が明らかになったことを示している。
2021年3月25日号の Nature ハイライト
計測学:最高精度の周波数比測定
材料科学:ナノスケールの秩序を持つ巨視的な固体
海洋科学:全球の海洋混合層底部における成層の増大
生物地球化学:植物と土壌の間の炭素の取引
神経回路:学ぶことを学ぶ
マイクロバイオーム:腸の微生物相の組み立てを支える生態学的相互作用
コロナウイルス:SARS-CoV-2に対する記憶B細胞応答の6か月にわたる進化
免疫学:腫瘍微小環境の制御性T細胞は乳酸を栄養源として優先的に使用できる
細胞生物学:ケーブルと雲と彗星によるミトコンドリアの分配
分子生物学:セントロメア領域のクロマチンを不安定化する