Nature ハイライト
分子生物学:セントロメア領域のクロマチンを不安定化する
Nature 591, 7851
減数分裂の際に姉妹染色体が正しく分離されるには、セントロメア上での動原体の構築が必要であり、クロマチンのこの部分は特に安定性が高いと考えられている。今回J Cooperたちは、減数分裂での染色体の正確な分離が確実に起こるように働いている2つのタンパク質Rec8とSpo11が、セントロメアのクロマチンを解体するというもう1つの活性を持っていることを明らかにしている。酵母細胞とヒト細胞の両方で、減数分裂期、有糸分裂期のどちらであっても、これらのタンパク質が過剰発現されるとセントロメア領域のクロマチンが解体される。一部のがんでは減数分裂に関わるタンパク質の調節が異常になっていることが知られており、このような細胞で観察された動原体の機能不全とゲノムの不安定性は、これによって説明されるかもしれない。
2021年3月25日号の Nature ハイライト
計測学:最高精度の周波数比測定
材料科学:ナノスケールの秩序を持つ巨視的な固体
海洋科学:全球の海洋混合層底部における成層の増大
生物地球化学:植物と土壌の間の炭素の取引
神経回路:学ぶことを学ぶ
マイクロバイオーム:腸の微生物相の組み立てを支える生態学的相互作用
コロナウイルス:SARS-CoV-2に対する記憶B細胞応答の6か月にわたる進化
免疫学:腫瘍微小環境の制御性T細胞は乳酸を栄養源として優先的に使用できる
細胞生物学:ケーブルと雲と彗星によるミトコンドリアの分配
分子生物学:セントロメア領域のクロマチンを不安定化する