Nature ハイライト
Cover Story:腐朽の仲介者:昆虫は森林の枯れ木の分解をどの程度助けるのか
Nature 597, 7874
今週号の表紙を飾るオオキノコムシ科の甲虫Megalodacne fasciataは、かなり大量の炭素を放出する過程である森林の枯れ木の分解を助ける多くの昆虫の一種である。今回S Seiboldたちは、この過程に、昆虫が正確にはどの程度寄与しているかに関する知見を報告している。彼らは、6大陸の55か所の林地で野外実験を行い、昆虫は熱帯林では分解を加速させるが、温帯林や北方林ではほとんど影響を及ぼしていないことを見いだした。さらに著者たちは、枯れ木から放出される炭素量は全球で約100億トンに上り、昆虫による正味の影響はこの総計の約29%を占めると見積もっている。
2021年9月2日号の Nature ハイライト
エレクトロニクス:分子の「決定木」を使った複雑な論理
エネルギー科学:電子織物向けのファイバー電池
有機化学:芳香環を切断する
化学:窒素の立体化学の構築
神経科学:海馬の鋭波リップルの代謝における役割
コロナウイルス:非常に優れた交差性と抗体回避抵抗性を有するSARS-CoV-2中和抗体の特定と特性解析
ウイルス学:SARS-CoV-2の広域中和抗体S2X259の特性解析
免疫学:ショウジョウバエのcGLR1はcGAS様二本鎖RNAセンサーで、dSTINGを活性化する
免疫学:ショウジョウバエで抗ウイルス免疫を活性化する新たなcGAS様受容体
構造生物学:昆虫はどのようにしてにおいを嗅ぐのか