Nature ハイライト
エレクトロニクス:分子の「決定木」を使った複雑な論理
Nature 597, 7874
デジタル電子回路のスケーリングの制約を克服するために、従来のデジタル論理プラットフォームから離れた、新たな材料や概念的戦略が活発に探究されている。今回S Goswamiたちは、分子メモリスティブ材料を用いる、そうした手法の1つについて報告している。彼らが用いた材料は、異なる5つの酸化還元状態を示し、メモリスターの構成にすると、再帰的かつ履歴依存性の複数の不揮発性スイッチング遷移を伴う電流–電圧曲線を生じる。つまり、このデバイスは「決定木」の雑木林を本質的に内蔵している。著者たちは、従来型のデジタル回路では多くのゲートと時間ステップが必要になるであろう、再構成可能な単一ステップの可換論理演算と非可換論理演算を、この単純な回路素子のみを用いて実現できることを示している。
2021年9月2日号の Nature ハイライト
エレクトロニクス:分子の「決定木」を使った複雑な論理
エネルギー科学:電子織物向けのファイバー電池
有機化学:芳香環を切断する
化学:窒素の立体化学の構築
神経科学:海馬の鋭波リップルの代謝における役割
コロナウイルス:非常に優れた交差性と抗体回避抵抗性を有するSARS-CoV-2中和抗体の特定と特性解析
ウイルス学:SARS-CoV-2の広域中和抗体S2X259の特性解析
免疫学:ショウジョウバエのcGLR1はcGAS様二本鎖RNAセンサーで、dSTINGを活性化する
免疫学:ショウジョウバエで抗ウイルス免疫を活性化する新たなcGAS様受容体
構造生物学:昆虫はどのようにしてにおいを嗅ぐのか