Nature ハイライト
免疫学:ショウジョウバエのcGLR1はcGAS様二本鎖RNAセンサーで、dSTINGを活性化する
Nature 597, 7874
P Kranzuschたちは今回、昆虫が数種類のサイクリックGMP–AMPシンターゼ(cGAS)ホモログを発現しており、そのいくつかが二本鎖RNA(dsRNA)によって活性化され得ることを明らかにしている。cGASに似た遺伝子産物の1つである、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)のcGLR1(cGAS-like receptor 1)は、長鎖dsRNAに応答して、cGASによって合成されるサイクリックジヌクレオチドであるcGAMPのアイソマーを産生することが分かった。3′2′-cGAMPは、dSTINGとRelish(NF-κBのショウジョウバエホモログ)に依存して遺伝子発現を誘発し、2種類のRNAウイルスに対し部分的な防御を付与することが明らかになった。これらの知見により、cGLRが自然免疫におけるパターン認識受容体の多様なファミリーであることが明確になった。
2021年9月2日号の Nature ハイライト
エレクトロニクス:分子の「決定木」を使った複雑な論理
エネルギー科学:電子織物向けのファイバー電池
有機化学:芳香環を切断する
化学:窒素の立体化学の構築
神経科学:海馬の鋭波リップルの代謝における役割
コロナウイルス:非常に優れた交差性と抗体回避抵抗性を有するSARS-CoV-2中和抗体の特定と特性解析
ウイルス学:SARS-CoV-2の広域中和抗体S2X259の特性解析
免疫学:ショウジョウバエのcGLR1はcGAS様二本鎖RNAセンサーで、dSTINGを活性化する
免疫学:ショウジョウバエで抗ウイルス免疫を活性化する新たなcGAS様受容体
構造生物学:昆虫はどのようにしてにおいを嗅ぐのか