Nature ハイライト
構造生物学:昆虫はどのようにしてにおいを嗅ぐのか
Nature 597, 7874
嗅覚系は多様な化学刺激を感知し、識別しなくてはならず、そのために独特な機構を必要とする。昆虫でこの過程に関わるのが、におい物質を結合するイオンチャネルである。今回V Rutaたちは、構造研究と機能研究から、昆虫の忌避物質DEETなどのさまざまなにおい物質が昆虫の嗅覚受容体に結合して活性化する仕組みを解明している。この研究により、これらの多様な化合物が認識される仕組みが明らかになり、これらの受容体の持つ識別能力の高さと識別対象の幅広さについての知見が得られた。
2021年9月2日号の Nature ハイライト
エレクトロニクス:分子の「決定木」を使った複雑な論理
エネルギー科学:電子織物向けのファイバー電池
有機化学:芳香環を切断する
化学:窒素の立体化学の構築
神経科学:海馬の鋭波リップルの代謝における役割
コロナウイルス:非常に優れた交差性と抗体回避抵抗性を有するSARS-CoV-2中和抗体の特定と特性解析
ウイルス学:SARS-CoV-2の広域中和抗体S2X259の特性解析
免疫学:ショウジョウバエのcGLR1はcGAS様二本鎖RNAセンサーで、dSTINGを活性化する
免疫学:ショウジョウバエで抗ウイルス免疫を活性化する新たなcGAS様受容体
構造生物学:昆虫はどのようにしてにおいを嗅ぐのか