Nature ハイライト
ウイルス学:SARS-CoV-2の広域中和抗体S2X259の特性解析
Nature 597, 7874
M TortoriciとD Cortiたちは今回、症候性の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染から回復した1人の記憶B細胞から単離され、S2X259と名付けられたヒトモノクローナル抗体の特徴を報告している。この抗体は、ヒトで流行しているSARS-CoV-2変異株を含む、さまざまなサルベコウイルスに結合して中和する。このモノクローナル抗体は、抵抗性変異株の出現に対して高い障壁となり、ゴールデンハムスター(Mesocricetus auratus)へのSARS-CoV-2チャレンジを防御することが実証された。著者たちはこの研究が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンや治療薬の設計の指針となり、SARS-CoV-2の進化と今後のサルベコウイルスの異種間伝播の両方に対処できることを期待している。
2021年9月2日号の Nature ハイライト
エレクトロニクス:分子の「決定木」を使った複雑な論理
エネルギー科学:電子織物向けのファイバー電池
有機化学:芳香環を切断する
化学:窒素の立体化学の構築
神経科学:海馬の鋭波リップルの代謝における役割
コロナウイルス:非常に優れた交差性と抗体回避抵抗性を有するSARS-CoV-2中和抗体の特定と特性解析
ウイルス学:SARS-CoV-2の広域中和抗体S2X259の特性解析
免疫学:ショウジョウバエのcGLR1はcGAS様二本鎖RNAセンサーで、dSTINGを活性化する
免疫学:ショウジョウバエで抗ウイルス免疫を活性化する新たなcGAS様受容体
構造生物学:昆虫はどのようにしてにおいを嗅ぐのか