Nature ハイライト
量子物理学:電子スピンの蛍光検出
Nature 600, 7889
原子や分子などの量子エミッターは、励起されるとインコヒーレントな蛍光放射を放出する。原子や分子が放出する蛍光は、弱いが可視スペクトル領域で起こるため、そうした原子や分子の検出に日常的に用いられている。一方、電子スピンは、可視領域ではなくマイクロ波領域で蛍光を発するため、検出がはるかに難しい。今回E Albertinaleたちは、超伝導キュービットから構築された超伝導マイクロ波単一光子検出器を用いて、シリコンに埋め込まれたドナー原子の電子スピン集団を、そのマイクロ波蛍光によって検出したことを報告している。これは、物質中の励起電子スピンを検出する別の方法となる。
2021年12月16日号の Nature ハイライト
量子物理学:電子スピンの蛍光検出
物性物理学:低磁場における分数チャーン絶縁体
化学:簡単になった同位体標識
気候科学:巨大な西南極氷床によって説明された中新世の海水準の不可解な変動
古生物学:ラエトリの足跡はやはりヒト族のものだった
コロナウイルス:COVID-19に対する宿主の遺伝的なリスク要因を解明するための世界的な取り組み
行動科学:応用行動科学におけるメガスタディー法
計算論的神経科学:運動記憶を理解する
進化遺伝学:英国のパンデミックを再構築する
免疫学:SARS-CoV-2スパイクに対して生じるポリクローナル抗体の中和範囲
構造生物学:聴覚の分子基盤