Nature ハイライト
化学:簡単になった同位体標識
Nature 600, 7889
分子にトリチウム(3H)を導入するトリチウム化は、動物や生物の生物活性分子を標識化してその挙動や特性を調べる重要な手段である。今回T Ritterたちは、芳香族有機化合物に3Hと重水素(2H)を選択的に導入するPd触媒過程を報告している。この手法では、より一般的に用いられているトリチウム水よりも毒性が低く同位体純度が高いトリチウムガスが用いられており、アリールチアントレニウム塩を使うことで、二水素に適用できない一般的なハロゲン化アリール求電子剤の主な制約が克服されている。
2021年12月16日号の Nature ハイライト
量子物理学:電子スピンの蛍光検出
物性物理学:低磁場における分数チャーン絶縁体
化学:簡単になった同位体標識
気候科学:巨大な西南極氷床によって説明された中新世の海水準の不可解な変動
古生物学:ラエトリの足跡はやはりヒト族のものだった
コロナウイルス:COVID-19に対する宿主の遺伝的なリスク要因を解明するための世界的な取り組み
行動科学:応用行動科学におけるメガスタディー法
計算論的神経科学:運動記憶を理解する
進化遺伝学:英国のパンデミックを再構築する
免疫学:SARS-CoV-2スパイクに対して生じるポリクローナル抗体の中和範囲
構造生物学:聴覚の分子基盤