Nature ハイライト 進化:性とマラリア原虫 2008年5月29日 Nature 453, 7195 マラリア原虫は、媒介動物へ伝播するにあたって有性生殖を行う必要がある。しかし、伝播を遮断する方法をめぐって幅広い研究が行われているにもかかわらず、原虫の生殖戦略はほとんど解明されていない。Reeceたちは新しい実験を行い、かつてマラリア原虫の性比の説明に用いられて議論を巻き起こした性配分理論の仮定が実際に正しいことを明らかにした。この進化理論の基本原理から予測されるとおり、ネズミマラリア原虫(Plasmodium chabaudi)は、血縁関係のない同種他個体の存在度に応じて性配分を調節する。この血縁識別により、ネズミマラリア原虫は感染の遺伝的多様性を評価し、環境からの信号に応答して行動を調節している。 2008年5月29日号の Nature ハイライト 気候:温度データを補正する 進化:脊椎動物での「最初」の生仔出生例 進化:性とマラリア原虫 医学:インフルエンザウイルスは熱帯生まれ 宇宙:炎環をもつマグネター 物理:球の充填を計算する 材料:表面の反応性を高める 医学:モノクローナル抗体の産生を促進する 目次へ戻る