Nature ハイライト 医学:インフルエンザウイルスは熱帯生まれ 2008年5月29日 Nature 453, 7195 米国でのインフルエンザワクチン作製用ウイルス株の選択について進行中の議論からはっきりしたのは、インフルエンザウイルスに関する疫学的な解明の必要性である。1,300種を超えるA型インフルエンザウイルス単離株のゲノム配列解読から、このウイルスの進化には、遺伝子の頻繁な再集合と時折生じる強力な選択の組み合わせという特徴がみられることがわかった。疫学的にみると、H3N2型とH1N1型というサブタイプの動態は、おそらく熱帯地方に存在する持続的なインフルエンザ供給源から定期的に抗原変異体が出現し、これが温帯地域の受容集団へと移行するという生態学モデルに従っている。 2008年5月29日号の Nature ハイライト 気候:温度データを補正する 進化:脊椎動物での「最初」の生仔出生例 進化:性とマラリア原虫 医学:インフルエンザウイルスは熱帯生まれ 宇宙:炎環をもつマグネター 物理:球の充填を計算する 材料:表面の反応性を高める 医学:モノクローナル抗体の産生を促進する 目次へ戻る