Nature ハイライト 気候:温度データを補正する 2008年5月29日 Nature 453, 7195 20世紀全体にわたる全球海面水温の記録からは、地球温暖化の重要な証拠が得られ、この記録は人間活動の影響と自然な起源の気候変動を区別する目的で、かなり詳細に調べられている。従来この記録は、補正されていない計測器による偏りの実質的影響はほとんど受けていないだろうと見なされていた。しかし、世界の主要な気候研究機関のうちの4つによって作られた研究チームにより、そうではないことが示された。この記録に明白な不連続箇所が見つかったのである。1945年に水温が突然約0.3℃低下したのだが、これは船に搭載されたデータ収集用計測器に大きな変更があった時期と一致していた。この不連続箇所は、20世紀における温度上昇傾向の約40%にあたる大きさである。つまり、これを修正すれば、全体的な記録とその解釈がかなり変わることになるだろう。 2008年5月29日号の Nature ハイライト 気候:温度データを補正する 進化:脊椎動物での「最初」の生仔出生例 進化:性とマラリア原虫 医学:インフルエンザウイルスは熱帯生まれ 宇宙:炎環をもつマグネター 物理:球の充填を計算する 材料:表面の反応性を高める 医学:モノクローナル抗体の産生を促進する 目次へ戻る