Nature ハイライト
量子物理学:プログラム可能な磁気格子としての量子プロセッサー
Nature 560, 7719
リチャード・ファインマンは、量子コンピューターで量子系をシミュレートする構想を抱いていた。汎用量子コンピューターは依然として長期的目標だが、この構想に向けた進展によって技術開発が急速に進み、今では量子アニーリングを利用したプロセッサーによって大規模量子シミュレーションを実施できるようになった。A Kingたちは今回、1800個の超伝導キュービットを用いて、トポロジカル二次元系における通常とは異なるタイプの相転移であるコスタリッツ–サウレス転移の量子シミュレーションを実証し、古典的シミュレーションと一致する結果を得ている。著者たちは、量子プロセッサーをプログラム可能な磁気格子として用いる今回の方法が、エキゾチック物質のシミュレーションや開発に広く用いられる可能性があると考えている。
2018年8月23日号の Nature ハイライト
分子生物学:CPEB4がリスク遺伝子を調節する仕組み
構造生物学:Orcoのクライオ電子顕微鏡構造は昆虫嗅覚の基盤についての手掛かりをもたらす
量子物理学:プログラム可能な磁気格子としての量子プロセッサー
物性物理学:パターンの記憶には2つの秩序が必要
古生物学:真のカメ類はいつ出現したのか
微生物学:成体の腸が微生物相を獲得する仕組み
生物学的手法:RNAのスナップショットをつなぎ合わせて細胞系譜を示す
医学研究:ケトン食療法がある種の抗がん剤への応答を改善する可能性
分子生物学:IP6はHIV-1の集合と成熟を促進する