Nature ハイライト
生物学的手法:RNAのスナップショットをつなぎ合わせて細胞系譜を示す
Nature 560, 7719
単一細胞のRNAプロファイルというスナップショットに基づいて、細胞事象や発生における細胞系譜の時間的順序を決定することは、単一細胞を用いる手法での大きな難題の1つである。今回P Kharchenkoたちは、スプライシングを受けていないmRNAとスプライシングを受けたmRNAの比を解析して、遺伝子発現状態の時間微分を決定し、細胞の時間的順序付けを行うことで、この問題を解決できると提案している。彼らは、発表されているさまざまなデータセットにおいてこの方法を検証し、この方法を用いて、マウス海馬での分岐決定を明らかにし、ヒト胎児脳でのRNA変化を解析している。
2018年8月23日号の Nature ハイライト
分子生物学:CPEB4がリスク遺伝子を調節する仕組み
構造生物学:Orcoのクライオ電子顕微鏡構造は昆虫嗅覚の基盤についての手掛かりをもたらす
量子物理学:プログラム可能な磁気格子としての量子プロセッサー
物性物理学:パターンの記憶には2つの秩序が必要
古生物学:真のカメ類はいつ出現したのか
微生物学:成体の腸が微生物相を獲得する仕組み
生物学的手法:RNAのスナップショットをつなぎ合わせて細胞系譜を示す
医学研究:ケトン食療法がある種の抗がん剤への応答を改善する可能性
分子生物学:IP6はHIV-1の集合と成熟を促進する