Nature ハイライト
Cover Story:効率を高めて環境にやさしく:高収量穀物の肥料使用を削減するための育種戦略
Nature 560, 7720
1960年代の「緑の革命」は、高収量な穀物品種を生み出して農業の改善に役立った。しかし、「緑の革命品種(GRV)」と呼ばれるこうしたエリート品種には、窒素利用効率が低いためにその能力を最大限発揮するには環境に有害な肥料を大量に必要とする、という問題がある。今回X Fuたちは、タンパク質GRF4の活性を高めると、高収量を維持しながらこうした植物の窒素利用効率が向上することを明らかにしている。著者たちは、今回の結果をGRVの育種戦略に適用すると、持続可能な農業の推進につながる可能性があると示唆している。
2018年8月30日号の Nature ハイライト
基本定数:重力定数が真の値に近づく
神経科学:セロトニンの放出はマウスの社会性を高める
構造生物学:転写複合体の停止状態と活性化状態の構造
天文学:120億年前の星形成
核物理学:中性子過剰核の内部
地球物理学:地震の余震の位置を予測する
免疫学:結核の潜在期から活動性疾患期への移行の理解
細胞生物学:機械的合図の変換
構造生物学:Frizzled受容体の構造